梅蕎麦
営業時間:11:30〜20:00
定休日:火曜日
テーブル上の調味料:一味唐辛子
ティッシュの有無:おしぼり
接客:気にならない
画像:もりせいろ 700円

江戸末期創業の歴史ある店、現在の主人で四代目だそうである。今はもう少し北に大きな駅前通りができたので、この店の前の道も単なる“せまい裏通り”になってしまったが、西バイパスからひょろひょろと続くそこかしこに歴史ある寺が点在し、三津屋、庄司屋、そしてこの梅蕎麦と老舗の蕎麦屋がポツポツとあって千歳山まで続いているこの道、きっと昔はそれなりに名の知れた街道だったのではなかろうか?

雪のチラつく平日の夜、店脇の駐車場に車を止め暖簾をくぐった。明るすぎない店内は整然としており清潔感がある。テーブル席の奥には会食などもできるのであろう、襖のついた座敷きがあり、客の姿はないが灯を消したりすることもなく、ピシッと座布団が並べられ暖房がかかっている。「いらっしゃいませ」と店奥からおばちゃんが温かいお茶を持ってきてくれた。品書きをチラッと見て、もりせいろを注文。
700円か…いままで食べたもりそば系の中で一番高いんじゃないかな?そんな事を考えながら品書きをパラパラ…大盛り200円増、『板そば(2000円』『大板そば(3000円』『ゆず切り(1200円』、もりとゆず切りの相盛りが『二色せいろ(1000円』となっている。ゆず切りかあ…ゆずは好きだけど、蕎麦の香りが邪魔されるのは嫌だなあ。

テーブルの端には趣味のいい薬味入れ、小さな花瓶にはかわいらしい花が活けてある。しかし…歴史がちがうとはいえ、ラーメン屋と蕎麦屋ってのはどうしてこうも差があるのだろうか?ラーメンがよほど儲からないのか、それとも蕎麦がよほど儲かるのか…もちろん、薄汚れた座敷き、油でベトついた胡椒の置かれたテーブルっていう、ラーメン屋の雑然とした雰囲気も嫌いではないけど、あまりに何というか…漬け物の事もあるけど、こうして蕎麦屋を何軒も回ってみるまでは、ラーメン屋と蕎麦屋の雰囲気にこれほど差があるとは思わなかったなあ

「おまちどうさま」と盆が運ばれてきた。皿に盛られた蕎麦はすごく細い、十割でここまで細いとはめずらしい…上山の『七福』と張る特殊なスタイルの細打ち蕎麦だ。2、3本たぐるがやけに短い「あれっ?」と思って、たぐり直すがやはり短い…まあ、十割だから切れちゃうのもしょうがないかとそのままズッとすする。

モシャッモシャッモシャッ…音にするとそんな感じだろうか?細くて短いが固さのある蕎麦の歯応え、当然のように香りも強く、遠くにかすかなゆずの香りが見え隠れ…ゆず切りと同じ湯で茹でてるんだろう。これくらいの香りだと、蕎麦の味も邪魔しないから悪くないな…ツユをつけてズッ、本ワサビをのせてズッ!にしても、蕎麦がプチプチと短く、ツユの中でフワッと逃げてしまったりして扱いにくいな…あと、蕎麦はズズズッと大きくすすれないと、どうもしっくりこないというか、物足りなさを感じてしまう。

蕎麦を食べ終え、蕎麦湯を注いで驚いた!今まで見たことないくらいドロドロで、まるで葛湯のよう…これは明らかに「蕎麦を茹でた湯」ではなく「蕎麦粉を溶かしこんだ湯」であろう!ズルズルっとすする…うまい!蕎麦の香りがして重くてうまい!そして、ここにもゆずの香りが漂っている!そばせいろ700円は高いかなと思ってたけど、この蕎麦湯がつくなら話は別だ!当然全部飲み干して席を立った。
いやしかし、あの蕎麦湯はクセになる…今こうして思い出しながら書いていても、あの舌触りが口の中に蘇り、もう一度すすってみたいと願ってしまう。
再来店の可能性:○
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